エイモス・チュツオーラの「やし酒飲み」を読みました。

どうもクリリソです。

あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。
遂に2018年ですね!年が変わったとは言え、あくまでも1日日付を跨いだだけ、2017年を忘れることなく1日1歩ずつマイペースにでもいいので成長することを心がけていきたいです。


エイモス・チュツオーラの「やし酒飲み」を読みました。


エイモス・チュツオーラ作 土屋哲訳
(画像:岩波書店



久しぶりに読書の話題です。基本的にはテクノロジー系のニュースを記事にしていきたいのですが、今回読ませていただいた「やし酒飲み」は非常に面白かったので紹介させていただきます。

ちなみに、エイモス・チュツオーラはナイジェリアの小説家でアフリカ的マジックリアリズムの作品を得意としています。このやし酒飲みも、彼の想像力が遺憾なく発揮されており、奇想天外なこの作品に私は圧倒されてしまいました。


やし酒のみとはどのような物語なのか



まずは、岩波書店のホームページに書いてある紹介文を見てみましょう。

「わたしは,十になった子供の頃から,やし酒飲みだった」――.やし酒を飲むことしか能のない男が,死んだ自分専属のやし酒造りの名人を呼び戻すため「死者の町」へと旅に出る.その途上で出会う,頭ガイ骨だけの紳士,指から生まれた赤ん坊,不帰(かえらじ)の天の町…….神話的想像力が豊かに息づく,アフリカ文学の最高峰.1952年刊.
(引用:岩波書店



やし酒は日本では馴染みのないお酒(私の知識不足?)ですが、ヤシから採れる液体を醗酵させたお酒みたいです。通称パームワインと呼ばれ、名前を聞いたことある方は多いのではないでしょうか。

この物語にも出てきますが、樹液採取のために木に登って液体を取らなければならないため、やし酒作りには相当な肉体労働を強いられます。

やし酒採取
(画像:4travel ginさん


主人公は冒頭でも述べられるように”自称”やし酒を飲むことにしか能がない男。しかし、実家が村一番の大金持ちということでやし酒を飲むだけの生活を続けます。

そんな彼のために父親が「やし酒作りの名人」を雇うのですが、ある日突然不慮の事故で亡くなってしまいます。

名人の作るやし酒以外では満足できない体になってしまっていた主人公は、亡くなった人間が経由するという「死者の町」へ出かけて、名人を連れ戻す妙案を思いついていざ実行するのです。意外とアクティブですね


このようにして物語がはじまるのですが、もうすでにその想像力が爆発していますね。読者は超常現象などを疑う時間を与えられず、ただ純粋にその事実を受け入れながら読み進めていくしかないのです。

この後には、主人公がジュジュという不思議な魔法を使いながら、前途多難な道を乗り越えて名人を追い求める様が主人公目線で語られるのですが、息継ぎをする時間はありません。

その溢れんばかりの想像力と何でもありな世界観の中では、常に非常事態ですのでページをめくる手が止まりません。


ある意味めちゃくちゃな物語だと感じるかもしれませんが、私には相性ピッタシでした。大人になると衰えてしまうといわれる発想力・想像力という概念を今一度思い出させてくれます。




2018年ぜひ一度童心を思い起こしてみてはいかがでしょうか。




エイモス・チュツオーラの「やし酒飲み」を読みました。 エイモス・チュツオーラの「やし酒飲み」を読みました。 Reviewed by Roux on 5:00 Rating: 5

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